女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

インスタグラム投稿から生まれた「とりあえず野菜食BOOK」

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みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

スマートフォンの普及に伴って、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、私たちの暮らしにとってますます身近なメディアとなってきています。ICT総研が発表した調査結果(2016.8)によると2016年末の利用者数は6872万人。日本人の2人に1人が利用していることになります。利用者は今後も増加し、2018年度末には7,486万人に達すると予測しています。

 

中でも、若い女性を中心に利用者を伸ばしているのが「Instagram(インスタグラム)」です。2016年12月時点でも国内アクティブユーザー数は1600万人。一年前の920万人と比較すると174%増となり、大幅に利用者を増やしていることがわかります。世界的に見ても、2016年12月のユーザー数は約6億人で、一年間で1億人のユーザーが増加。今や、Twitterのユーザー数を大きく上回るSNSに成長しています。

 

それに伴って、インスタグラムの影響力は年々大きくなっています。フォロワーが数万人いるようなインスタグラマーと呼ばれるタレントや一般人も増えており、彼や彼女たちが発信する情報は瞬く間に、数万人数十万人のインスタグラムユーザーに拡散されることになります。最近では「インスタ映え」という言葉も一般的になりました。特に食べ物は、写真映りが良い色彩や話題になりそうなデザインがヒットする条件になっていると言っても過言ではありません。事実、フジテレビの朝の番組「めざましテレビ」の人気コーナー「イマドキ」を見ていても、「フォトジェニックなクリスマスケーキ」や「SNS映えするフルーツスイーツ」など、インスタグラムへの投稿を意識したタイトルが毎日のように続いています。

 

そんな中、株式会社 学研ホールディングスは、インスタグラムで人気のハッシュタグ「#とりあえず野菜食」の発案者・utoshこと植木俊裕さんの初レシピ本『とりあえず野菜食BOOK』を2017年5月25日に発売しました。著者の植木俊裕(うえきとしひろ)さんは、グラフィックデザイナーとして活動し、海外からのインテリア雑貨を取り扱うWeb ストア「TREE & TRUNK」を2017年にオープン。人気ハッシュタグ「#とりあえず野菜食」の発案者でもあり、野菜をたっぷり作った料理写真をインスタグラムに投稿しています。若い世代を含め、いろいろな人にもっと気軽に野菜を取り入れた料理を作ってもらいたい、という思いから、トレンドを意識し、スタイリングや盛りつけにもこだわっています。

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誰だって何となく「野菜は体にいい」ということは理解していて、日ごろから何となく「野菜を食べなきゃ」と意識しているもの――。そんな漠然としたイメージを言葉にしたのが「#とりあえず野菜食」というハッシュタグでした。「難しく考えず、ヘルシーな野菜料理をもっとカジュアルに楽しみたい!」というコンセプトが共感を呼び、インスタグラムには「#とりあえず野菜食」のハッシュタグを付けた料理写真が80,000件以上も投稿されています。

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今回創刊された『とりあえず野菜食BOOK』では、このハッシュタグを発案したutoshこと植木俊裕さんが、とにかく簡単に作れて見た目がオシャレな野菜料理の新作レシピ&未公開photoを披露しています。インスタグラムの写真だけではわからない材料&作り方を解説するのはもちろん、各レシピを考案するにいたった背景や、何気ない日常の野菜料理でもオシャレによりおいしそうに見せる器の選び方、スタイリング、写真の撮り方なども紹介。グラフィックデザイナーとしても活躍する植木さんが作る料理の写真は、どれも色彩感覚にあふれていてスタイリッシュ。しかもレシピは、身近な材料で気軽に作れるものばかり。思わずマネして作りたくなる、そして写真に撮りたくなる、フォトジェニックなレシピが満載です。

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コンテンツを見ても、

 

PART1  #とりあえず野菜のオススメ

(ベジ生春巻き/ポテトパンケーキ/3色フムス/ヘルシー水餃子 ほか)

PART2 #とりあえず野菜のサラダ&スープ

・フレッシュサラダ

(パワーサラダ/焼き豆腐とキヌアのサラダ/角切りカプレーゼサラダ ほか)

・ホットサラダ

(かぶとさつまいもとベーコンのグリル/白菜とささみのホットサラダ ほか)

・スープ

(野菜だけ豚汁「野ん汁」/冷製アボカドスープ/トマトの卵とじスープ ほか)

PART3 #とりあえず野菜のワンプレート

・ブレックファスト

(ズッキーニボード/エッグインクラウド/ハーブおにぎり ほか)

・サンドイッチ

(キャロットラぺサンド/スモーブロー/たっぷり野菜のバインミー ほか)

・パスタ

(刻み野菜のミートソースパスタ/ごろごろ野菜のナポリタン ほか)

・ライス

(おいなりさん/アボカドと漬けまぐろ丼/枝豆チャーハン/ボロネーゼライス ほか)

・メインディッシュ

(豚バラと野菜のグリル/ほうれん草とかぼちゃのエスニック風肉だんご ほか)

PART4 #とりあえず野菜の作りおき

(ミニトマトのマリネ/グリルなすのマリネ/きのこのマリネ/パプリカのマリネ ほか)

 

といった構成になっており、「外見だけでなく、内側からも美しくなりたい!」という現代女性のニーズに応える内容になっています。

 

今後は、このレシピ本で実際に作った料理写真がインスタグラムで拡散されることで、レシピ本の拡販も大いに期待できそうです。また、テレビや新聞といったマスメディアに取り上げられることで「#とりあえず野菜食」の話題が広がっていくことも予想されます。

 

インスタグラムの影響力がこれほどまでに大きくなった現在、企業のマーケティングや顧客とのコミュニケーションにおいて、インスタグラムを上手に活用することがますます重要になってきました。そのためには、特に男性マーケッターの方はご自分のアカウントを取得して、実際に投稿したり、人気のインスタグラマーをフォローしてウォッチングするなど、まずはインスタグラムの魅力を体感するところからスタートしましょう。