女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

メンタルアカウンティング(心の会計)って何?

みなさんこんにちは。和田康彦です。

普段はスーパーで買物する際、1円でも安いものを選ぶ人でも、旅行に行くと、ちょっと気が大きくなって財布の紐が緩んでしまう。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

他にも、「宝くじの当せんで得た30万円は散財してもいい」「月給の30万円は大事に使う」と心の中で勝手にお金を仕分けし、消費行動を変える人も多いという調査結果もあるようです。

このように、心の中で勝手にお金を仕分けし、消費行動に違いが生まれることを、行動経済学では、「メンタルアカウンティング(心の会計)」と呼ぶ専門用語で説明しています。

さてみなさんは、政府が10月の消費税率引き上げに合わせて始めたキャッシュレス決済によるポイント還元制度を利用されていますか。

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米マサチューセッツ工科大学のプレレク教授らの分析によると、プロバスケットボールの試合のチケットをオークションで買う際、クレジットカード払いの人は現金払いの人の2倍の入札額を提示したそうです。

また加藤浩徳東大教授らは目的の駅まで複数の経路を選べる大都市で、鉄道料金の支払い方法の違いが支出額や所要時間にどう影響したかを研究したところ、「現金以外で支払う人は料金が多少高くても時間を優先する傾向がある」ことがわかったそうです。

これらの調査結果から、消費者はキャッシュレス決済の方が現金で支払うときよりも負担の実感が薄い傾向があることがわかります。いわゆるメンタルアカウンティングが働いているのですね。

現金への信頼度が高い日本ではキャッシュレスス決済の普及が遅れています。キャッシュレス推進協議会によると、2016年時点の日本の比率は19.9%。韓国(96.4%)や中国(65.8%)だけでなく、英米との差も大きいようです。

ただ、、JR東日本で交通系電子マネーのポイント会員の9月の入会数が8月の14倍となるなど、キャッシュレス決済の利用者も急増しています。

キャッシュレス決済がこのまま増えていくと前回増税後のような急激な節約意識の高まりは回避できるかもしれません。

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