女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

女性誌販売部数5年連続№1の宝島社、付録戦略の次は「コラボ戦略」でがっちり!

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

先日9月15日のこのブログでは、「私たちが、経済だ。経済を動かしたければ、まずは女性の欲望を刺激することから。」というタイトルで、宝島社さんの全30段広告のことについて書かせていただきました。

http://www.happymk.net/entry/2017/09/15/074143

 

この広告では、「経済を動かしたければ、まずは女性の欲望を刺激することから」というメッセージを発信。女性マーケティングに対する強い自信が垣間見える内容となっていました。

 

ところで宝島社さんの雑誌といえば、大きな魅力の一つとして、他誌を圧倒する付録の豪華さがあります。昨年下半期の男女ライフデザイン誌全58誌中、販売部数1位(日本ABC協会調べ)となった20代女性向けの「sweet」(月間平均29万1928部)、2位となった「心地よい暮らしと装い」がコンセプトの「リンネル」(同23万4255部)、3位となった30代女性向けの「InRed」(同17万8638部)、5位となった40代女性向けの「GLOW」(同16万9344部)などを次々と創刊し、どれも大ヒット。2004年には蓮見清一社長が「全雑誌、毎号、付録をつける」と大号令を下し、現在12誌が毎号付録をつけており、09、10年には計3回、「sweet」が100万部に到達するなどの成果を上げています。

 

この出版社の枠を超えた付録戦略という発想は、ライフスタイルブランドのライセンス事業という形で進化しています。同社では2015年から「kippis」(キッピス)という北欧・フィンランドのデザイナーを起用したライフスタイルブランドのライセンス事業をスタート。ブランドのライセンス元になって他社にブランドの使用権を提供。様々な商品を共同開発していくという新たなビジネスにも乗り出しました。

 

服飾雑貨(川辺)や手芸用品(サンヒット)に始まり、食品メーカーのマルハニチロと「kippis®北欧ジャム&ソース瓶詰シリーズ」(2017年5月)を共同開発したほか、キレートジャパンとタッグを組んだ「クリームシャンプー」(同年4月)や、パウダーフーズフォレストの「イニックコーヒー」(同年9月)ともコラボレーションを行っています。

 

◆【ライオン×宝島社】嫌いな家事No.1 "食器洗い"を北欧デザインで楽しく。 

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2017年11月17日からはライオン株式会社が発売する食器用洗剤「Magica(マジカ)」と提携し、「kippis®」のオリジナル柄を使用したポンプボトル(4種)を『Magicaつめかえ用大型2個+ポンプ品』として全国のスーパーやドラッグストアで発売します。これまでは、ライフスタイルショップや百貨店の催事のみで販売を行っていたキッピスのコラボ商品が、ライオンとの食器用洗剤における提携により、過去最大規模の流通での販売となり、「kippis®」の認知度も一挙に広がっていきそうです。

 

ライセンスビジネスはこれまでにも多くのブランド元が手掛けてきました。ただ、こだわりのない安易なライセンス供与によって魅力が低下し、消えていったブランドも数多くあります。その一方で、付録商品にも妥協を許さず、女性が本当に欲しいと思うものを真摯に作ってきた宝島社さんのノウハウを活かせば、きっと付録戦略に次ぐ第2の柱になっていくのではないでしょうか。