女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

「消費者の感情に応える。」USJ躍進のヒミツ。

 

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

個人消費の低迷が続く中、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、快走が続いています。2016年10月2日の日本経済新聞朝刊では、「好調テーマパーク進化の行方は」というタイトルで、ユー・エス・ジェイ執行役員の森岡毅氏へのインタビュー記事を掲載していました。今回は、森岡氏の発言の中から、女性客に選ばれるために重要と思われる部分を紹介させていただきます。

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森岡氏は入場者数が低迷していた2010年に経営再建を託された転職組です。それまでは映画の世界観のお仕着せだった従来路線を否定し、消費者起点のマーケット手法の転換。子供向けの家族エリアの新設や後ろ向けに走行するジェットコースターを生み出すなどヒットを次々に飛ばして、過去最高の入場者数を更新しています。その背後には、消費者ニーズへの原点回帰があります。

今回のインタビューの中でも、「昨年より高い価値をどう作り出すかの闘いだ」「科学的、かつ合理的にアトラクションを開発し、外さずにヒットするようにしている。興奮やスカッとしたい動的なモチベーションをつかむのが大事だ。消費者に『なぜUSJに行くのですか』と聞いても答えは見つからない。普通の消費者は頭の中で常日ごろUSJのことを真剣に考えてはいないからだ。入場者の表情と真剣に向き合うと、根源的な理由が見えてくる」と消費者の心を読み解くことの重要性を力説されています。

また、「遊園地などの閉鎖も相次ぐが、それはディズニーの遥(はる)かに劣るまねごとをしたからだ。USJは非ディズニーを進めて成長することを示した。それこそマーケティングの力だと思っている」「。一度築いた世界観を変えることの葛藤だ。だが消費者がUSJに期待するものが分かればそれに合わせる方が失敗は少なくなる。世界観は一神教ではなく、『八百万(やおよろず)の神』であってもいい。多様な価値観のある消費者をカバーできる。また複数の重なる部分では合わせ技によってこれまで来て下さらなかった消費者の足がUSJに向かう」
と、消費者の価値観が多様化する中で、多くの顧客を虜にするコツを述べています。

そして、「日本はアニメのように0から1を作り出す天才的な力はあると思うが、それを1から100にするためのビジネスプラットフォームに仕立てる力は欧米に比べてどうしても劣る。我々のようなビジネスサイドのマーケッターが頑張らないといけない」と、骨太のマーケティング力の重要性を説いています。

最後には、「物理的なら入場者数だとリミットがある。しかし入場者数を上げることが目的ではない、それは結果だ。むしろ入場者一人ひとりがどれだけUSJの中で支出して下さるかだ。これは入場者の満足に直結する。つまりブランド価値の向上だ。ブランド価値を上げることを目的にすれば、数字にどう落とし込めばいいのかが見えてくる」「ブランド価値を意識するのは頭の中だから、無限なのではないだろうか。成長を量的でなく質的に見る。もっと簡単に言えば、どれだけ人を笑顔にするか。そしてその笑顔をどう強力にするかだ。自分の仕事がブランド価値向上につながっているのか。日々、その姿勢でUSJの仲間は仕事をしている」と結んでいます。

・昨年より高い価値をどう作り出すか
・ブランド価値を上げることを目的にする。
・ブランド価値を意識するのは頭の中だから、無限である
・成長を量的ではなく、質的に見る
・どれだけ人を笑顔にするか、そしてその笑顔をどう強力にするか。
・自分の仕事がブランド価値向上につながっているか
などなど、森岡氏の力強い肉声からは、女性客から選ばれるための本質を学べると思います。