女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

「目の肥えた消費者が受け入れる価格帯を追求したい」しまむら野中社長。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

衣料品業界や百貨店業界が苦戦する中、「しまむら」の業績が好調です。2016年3~8月期の連結決算は、売上高は6%増の2810億円、営業利益は41%増の251億円、純利益が前年同期比46%増の166億円。主力の「ファッションセンターしまむら」は6~8月の全店ベースの売上高、客数、客単価が前年実績を上回り、若者向けの「アベイル」の販売も伸びたようです。気温の高い日が続き、夏物の販売が好調だったことに加え、在庫管理の効率化により値下げ販売が減り、利益率も改善しました。 

2017年2月期通期の売上高は前期比5%増の5742億円、営業利益は16%増の462億円、純利益は24%増の306億円を見込んでいるものの、9月以降の販売環境については「厳しい残暑と相次ぐ台風の襲来で苦戦している」と分析しています。

本日の日本経済新聞朝刊で、野中正人社長は、『昨年比で為替が円高に推移しており、商品の仕入れ原価は当然下がる。だが値下げはしたくない。価格帯の設定を下げたくないからだ。今は競合の動きが気になっている。国内の衣料品は9割が海外製。値下げする同業もあるが、価格帯はひとたび下げると再び上げるのは難しい。その苦労を知るだけに「目の肥えた消費者が受け入れる価格帯を追求したい」』と語っており、価格設定がこれまで以上に売上と利益に大きな影響を及ぼすことを示唆されています。

よく言われることですが、「価格<価値」は商売の基本です。しまむら同様インテリア分野で好調な「ニトリ」のスローガンも「お、ねだん以上、ニトリ」。価格以上の価値を提供できれば、あえて値下げ競争に参戦する必要もありません。そのためには、1点1点の商品に愛情を込めて丁寧に作り、お客様に喜ばれること以外秘策はないと思います。