女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

あなたの会社でも、SDGsの具体的達成目標を事業戦略に組み込もう!

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
これから未来のライフスタイルを考えていくうえで、重要なキーワードのひとつが「サスティナブル(持続可能)なライフスタイルの実現」です。

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今世界では、環境問題や貧困、飢餓の問題、ジェンダーに基づく偏見や不平等の問題など、様々な課題を抱えています。私たちがこれからも持続的に発展していくためにはこのような課題の解決が不可欠です。そこで、国際連合は、2015年、持続的な発展のために30年までに達成すべき目標として17の項目からなる「SDGs(Sustainable Development Goals)を採択しました。日本でも少子高齢化やグローバル化に直面する中、SDGs推進を通じて実現できる「豊かで活力ある未来像」を想像・実行していくことが重要という機運が高まりつつあります。

◆SDGs、17の項目

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まずは、SDGsの17の項目を見ていきましょう。
目標 1. 貧困をなくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標 2. 飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食糧安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標 3. すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標 4 .質の高い教育をみんなに
すべての人々への包括的かつ公平な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標 5. ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女子のエンパワーメントを行う
目標 6. 安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な現代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標 8 . 働きがいも経済成長も
包括的かつ持続可能な経済成長、およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク(適切な雇用)を促進する
目標 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
レジリエントなインフラ構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進、およびイノベーションの拡大を図る
目標 10. 人や国の不平等をなくそう
各国内および各国間の不平等を是正する
目標 11. 住み続けられるまちづくりを
包括的で安全かつレジリエントで持続可能な都市および人間居住を実現する
目標 12. つくる責任、つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する
目標 13.気候変動に具体的な対策を
気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる*
*国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、気候変動への世界的対応について交渉を行う一義的な国際的、政府間対話の場であると認識している。
目標 14.海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続的に利用する
目標 15. 陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護・回復・持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・防止および生物多様性の損失の阻止を促進する
目標 16.平和と公平をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包括的な社会の促進、すべての人々への司法へのアクセス提供、およびあらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包括的な制度の構築を図る
目標 17. パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段の強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

◆日本政府の実施指針

そして、これらの17の項目に基づいて、2016年12月には日本が取り組むべき具体的な指針が政府から発表されています。こちらは全部で8つあります。

① あらゆる人々の活躍の推進(目標1.4.8.10.12に対応)
• 働き方改革 の着実な実施 • 女性の活躍推進 • 心,情報,交通の 「バリアフリー」 • 次世代の教育振興 • 若者・子供,女性 に対する国際協力
② 健康・長寿の達成(目標2.3に対応)
• データヘルス改革の 推進• UHC推進のための 国際協力• 感染症対策の 研究開発
③ 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション(目標2.8.9.10に対応)
• 自治体SDGs モデル事業の実施• 「Connected Industries」の推進 • 「i-Construction」 の推進 • 農業人材力の強化
④ 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備(目標2.6.9.11に対応)
• 「コンパクト+ ネットワーク」推進• 「レジリエント防災・ 減災」の構築 • 防災に資する 廃棄物処理・ 浄化槽等の整備 • 質の高いインフラ投資
⑤ 省・再生エネルギー、気候変動対策、循環型社会(目標7.12.13に対応)
•東京オリンピック・ パラリンピックに向けた持続可能性の配慮• 再エネ・省エネ の導入• 循環型社会の構築 • 食品廃棄物・ 食品ロスの削減
⑥ 生物多様化、森林、海洋等の環境の保全(目標2.3.14.15に対応)
• 持続可能な農業の 推進,林業の成長 産業化 • 「国立公園満喫 プロジェクト」推進 • 総合的海洋観測網 の構築,海洋資源 の持続的利用推進
⑦ 平和と安全・安心社会の実現(目標16に対応)
• 子供の不慮の事故, 性被害の防止 • 再犯防止対策 の推進 • 女性に対する 暴力根絶 • 「法の支配」の促進 に関する国際協力 • 平和のための 能力構築
⑧SDGs実施推進の体制と手段(目標17に対応)
【政府一丸となった取組】
• 新たな経済政策パッケージを含む, 政府の主要政策を通じて,政府一 体となったSDGsの推進
【広報・啓発の推進】 SDGsの認知度向上のための広報・啓発 • 「ジャパンSDGsアワード」の実施 • 2025年万博誘致を通じたSDGsの推進
【官民パートナーシップ】• 環境・社会・ガバナンス(ESG)投資の推進 • 地域への未来投資を推進するための企業支援• 開発途上国のSDGs達成に貢献する企業・地方の支援+民間企業への新たな支援策の検討

◆SDGs達成に向けての企業の取組み

そして、SDGsの達成に向けて行動する企業も増えています。SDGsの達成は従来のCSR(企業の社会貢献活動)とは異なり、まさに事業活動を通して実現する本業でありビジネスであるといえます。世界経済フォーラム年次総会では、2030年までにSDGsの達成により12兆ドルの新たな市場が生まれる、という予測を発表しています。また株式市場でもESG投資(E:環境、S:社会、G:企業統治)が活発化しており、社会課題を解決する企業を生活者が応援する社会へ変化しつつあります。

◆プラスチック製品の使用を削減しよう

例えばこのところ世界でプラスチック製品の使用を減らそうとする動きが広がっていますが、これもSDGs達成に向けての企業の取組みといえます。現在、海に捨てられるプラスチックは世界で年800万トンと、500ml入りのペットボトル換算で3200億本分。こうしたごみが日光や潮流によって砕かれ、細かな粒となって海を漂っています。大きさが5ミリメートル以下のプラの粒は「マイクロプラスチック」といわれ、魚などによる摂取が確認されており、魚を食べる私たちの体にも入っている可能性もあります。この課題を解決するために、米コーヒーチェーン大手スターバックスは、プラスチック製の使い捨てストローの使用をやめると発表。2020年までに世界で2万8000店超あるすべての店で廃止する計画です。同社が1年間に提供するプラ製ストローは10億本。まず北米の8000店で一部の冷たい飲み物を対象に、蓋に吸い口のついたカップでの提供をスタートします。国内でもガストなどを展開する外食大手「すかいらーくホールディングス」も同様の取り組みを明らかにしており、大量消費を抑える動きが広がっています。また、スウェーデン発祥の家具チェーン「IKEA(イケア)」の日本法人も、ストローなどプラスチック製の使い捨て商品(計7品)について、2020年までに全世界で販売をやめると発表しました。

一方、資生堂は日本で普及している詰め替えパックについて、フランスのロレアルなどと共同で国際的な基準作りを開始。英蘭ユニリーバは2020年に廃棄物の量を10年比で半分にする計画を打ち出しています。欧州連合(EU)が使い捨てのプラスチック製品の規制を打ち出すなど、世界的な海洋汚染防止の動きに対応する動きです。フィルムを容器にした詰め替えパックは、通常の容器と比べプラスチック使用量を8~9割減らせるため、日本では1990年代から広がり、シャンプーなどは8割が詰め替えに。ただ海外ではあまり使われていません。

◆SDGs達成に真剣な企業が女性客から愛される

今日は、サスティナブルなライフスタイルを実現する上で重要なSDGsの考え方をご紹介しました。国内では2020年の東京オリンピックに向けて、SDGs達成の機運はますます高まっていくことは間違いありません。これからの時代、SDGs達成に真剣に取り組む企業こそが、女性客から愛される企業になっていくと思います。そのためにも、あなたの企業の事業戦略にもSDGs達成に向けた具体的な取組目標を設定し、果敢にチャレンジしていきましょう。