女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

ネット時代でも、家具やインテリア購入には、店頭ディスプレイが有効。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
「ホームリビング」等国内家具市場向け専門紙を発行しているアイクによると2017年の家具市場は3.兆3443億円。1991年に比べると約半分と大幅に縮小しています。住宅着工戸数の減少による買い替え需要の停滞や部屋にあまりモノを置かないシンプ志向の浸透が背景にあります。一方で百貨店等の家具売り場は年々縮小に追い込まれ、実物を見て家具を買いたいという購買ニーズを満たせないという悪循環に陥っている現実もあります。

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マイボイスコム株式会社が行った調査結果によると、家具・インテリア雑貨選定時の参考情報は「店頭のディスプレイ」が4割弱(37.2%)で1位。「テレビ番組・CM」「商品カタログ・パンフレット」「インテリア関連雑誌」「家具・インテリア関連メーカーの公式サイト」などが各10%台となっています。女性10~30代では「ブログ、SNS、インスタグラムなど」の比率が他の層より高くなっています。ただ、長く付き合う家具を買う場合は使用感や部屋に合うデザインか、大きさはどうかといったことが購入の決め手になることから、実物を確かめて買いたいという生活者の気持ちは無視することはできません。

その結果、家具・インテリア雑貨の購入場所は「家具専門店(大塚家具、ニトリ、島忠、イケアなど)」が62.0%で1位、「ホームセンター」(36.6%)が上位2位という結果に。ニトリやイケアといった家具専門店では、実際に生活する部屋のイメージに合わせて展示することで、購買意欲を高めて売り上げにつなげていることがわかります。3位以下は「インターネットショップ、通販サイト」「大型生活雑貨店(東急ハンズ、ロフト、無印良品など)」「インテリアショップ」などが各2割という結果になりました。「インテリアに非常にこだわりがある層では、家具専門店に続き、「インテリアショップ」「大型生活雑貨店(東急ハンズ、ロフト、無印良品など)」が多くなっています。

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とはいえ、家具・インテリアの購入・情報収集パターンを見ると、「店頭で買う/ネットで情報収集をする」が、家具・インテリア購入者の46.9%、「店頭で買う/ネットで情報収集はしない」が25.1%という結果に。10・20代は「店頭で買う/ネットで情報収集をする」、高年代層では「店頭で買う/ネットで情報収集はしない」の比率がやや高くなっています。つまり、最終的には店頭で大きさや使用感、デザイン等を確かめて購入するものの、事前にはインターネットでしっかり情報を収集していることがわかります。EC全盛時代とは言うものの、まだまだリアル店舗のパワーも負けてはおらず、リアルとネットを組み合わせて、いかのお客さまに有効な情報を発信し、安心して楽しく買い物していただくかが重要といえます。

最後にインテリアの重視点を見てみると、「見た目がすっきりしている」「くつろぎ・癒しの空間となり、居心地がよい」「シンプルで飽きがこない」などが各4割で上位にあがっています。「くつろぎ・癒しの空間となり、居心地がよい」「手入れがしやすい」「シンプルで飽きがこない」などは、女性高年代層での比率が高くなっています。インテリアへのこだわりがある層では、「部屋全体のテイストに統一感がある」「くつろぎ・癒しの空間となり、居心地がよい」が上位2位です。一方、こだわりがない層では「見た目がすっきりしている」「シンプルで飽きがこない」などが上位にあがっています。生活者のライフスタイルが多様化する中、ニーズに合わせた品揃えや商品開発がますます重要になってきていることがわかります