女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

現代人は「楽しいことに敏感!」お客さまとの会話が売り上げを生む。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
今年も一年、ご愛読いただき本当にありがとうございました。

毎年大みそかの朝は、フジテレビ系で放映されている「景気満開テレビ」を楽しみながら見ています。毎年全国津々浦々から、繁盛しているお店や企業が紹介される、いわば経済番組といえます。今年で11回目なので、この番組もロングセラーを誇っているといえます。

さて、この番組の中でいちばん印象に残ったのは、普段は何もない広大な岸壁に、毎週日曜日の早朝にだけ出現する巨大朝市・館鼻岸壁朝市(たてはながんぺきあさいち)です。全長800メートルにわたって300以上の店が立ち並び、毎週数万人もの人出を誇る、青森県内・東北はもちろんのこと、国内でも最大級の朝市は、2004年3月からスタート。当時は一日7000人~1万人くらいのお客さまだったそうですが、10年で約10倍に。今では一日10万人を超える日もあるそうです。毎週通うという地元の常連客は約8割で、リピーターに支えられていることがわかります。

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館鼻岸壁朝市は、販売されているものも非常にカオスです。八戸の鮮魚や干物などの魚介類はもちろん、野菜、果物、花、多彩なお惣菜、朝市内にいくつもあるコーヒーショップにスイーツ、パン、刃物や骨董品、ミシンなどなど…とにかくバラエティ豊か。お店の屋台の裏で朝市ライブを開催する店舗もあり、訪れる人々も、朝食を買い求めたり、知人と談笑したりと、思い思いにこの巨大朝市を味わっています。現在は約320店が出店しており、出店待ちの店が80店もあるそうです。

人気のキーワードはずばり「客を驚かせる!」。山盛りの焼きそばは300円。ルール無視もOKのリンゴ詰め放題も300円。うれしいサプライズとの出会いが、お客さまの心を捉えて大盛況を生み出しています。この地元の力を結集した朝市パワー。県外や海外からの観光客も増えており、地元のホテルは半年前から予約でいっぱいになるとか。SNSによる投稿も増えており、多くの店から自分だけのお宝を探し出すワクワク感が、楽しいことに敏感な現代の生活者の気持ちを満足させているといえます。「儲けたいより仕事が好き」という出店者のみなさんに景気満開のキーワードを尋ねると「お客さまとの会話が命」ということばが帰ってきました。ネット通販が隆盛といわれる中、お客さまとのリアルながつながりを大切にした「売り手と買い手の温かい会話」は、すべてのリアル店舗が元気になるヒントといえるでしょう。

2019年もみなさまにとって、素晴らしい一年になりますように。