女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

高価格帯トイレットペーパーが人気の背景

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

今日の日本経済新聞を見ていると、高価格帯のトイレットペーパーの売れ行きが好調だという記事が掲載されていました。

 

従来品より1ロールの巻きを長くしたり、パルプの比率を高めて柔らかくしたりした商品が相次ぎ発売されていて、輸入品の攻勢にさらされるティッシュペーパーと対照的に、高付加価値品がけん引役となって販売量、金額ともに伸びている。という内容でした。

 

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経済産業省によると、2017年のトイレ紙の販売量は13年に比べ3%増、販売金額は13%増.1キロ当たりの単価は164.2円と10%上昇しており、節約志向が広がる中でも高単価品の売れ行きは好調だということです。

 

理由の一つとして、「トイレ紙は一度気に入れば他のブランドに移らない傾向にある」ようです。直接体に触れるだけに、自分の好みに合えば高くても買い続け、顧客は固定化されやすく傾向にあるとのこと。

 

また、ふたつ目の理由として、増え続ける訪日外国人の存在があるようです。日本製はやわらかく品質への評価が高く、1ロールあたりの巻きが長ければ取り換えの頻度も少なくすむ。利用者と従業員の双方に利点となるため、高級ホテルなどで付加価値の高いトイレ紙の活用が広がっているとのことです。

 

メーカーも販売拡大に力を入れ始めており、大王製紙は長尺型の「エリエール イーナ」の17年度の販売量が前年度に比べ19%増。また、日本製紙クレシア(もダブルでは業界で最も長い1ロール75メートルの「スコッティ フラワーパック 3倍長持ち 4ロール(ダブル)」を展開。日経POS情報によると4月の1千人当たりの販売金額は前年同月比48%増、と好調に売上を伸ばしています。

 

300円前後で売られる汎用品と異なり、高付加価値品は特売の対象となりにくく利益率も高いということで、メーカーにとっても顧客にとってもうれしい商品です。

 

「目先の安さだけでは決して判断しない。長い目で見て得する方を選ぶ」というロングレンジ思考の消費が、リーマンショック以降根付いてきています。肌触りがよく体に優しいものを使う方が結果として健康にもよい。2回取り換える手間を一度にすれば人件費も安くつく。そんな長い目で見たベネフィットを買う消費スタイルは、今後も増えていきます。