女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

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なぜ「うんこ漢字ドリル」は大ヒットしているのか?

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みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

今年の3月に発売された小学生向けの漢字ドリル『うんこ漢字ドリル』がベストセラーになっています。今日7月30日付の日本経済新聞朝刊でも「つまらぬ勉強 面白く」という記事で紹介されていました。

 

今大ヒットしている「うんこ漢字ドリル」は、「田んぼのどまん中でうんこをひろった」「刀の先っぽにうんこをつけてたたかう男」など、大人でもクスッと笑ってしまう、うんこにまつわる3018の例文で楽しみながら勉強できる漢字ドリルです。発売から3ヶ月で260万部という異例の売り上げを記録しています。

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生みの親の文響社社長の山本周嗣さんは元々証券会社のトレーダーという異色の人物です。そもそもは証券マン時代に、笑いを体系化した共著「ウケる技術」が20万部のベストセラーになったのが、出版業界に入ったきっかけになったそうです。

 

そして2010年には自ら文響社を立ち上げ、自己啓発本を中心に様々なヒット作を世に送り続けてきました。

今回大ヒットしている「うんこ漢字ドリル」のアイデアのきっかけになったのは、友人の映像ディレクターが書き留めていた「うんこ川柳」が発端だそうです。

 

公然と口に出せない「うんこ」という言葉だからこそ、小学生男子には絶対ウケる!、教育とくっつけたら面白い!という発想が大ヒットに結びつきました。

 

企画した山本氏はというと、親に言われるままに私立中学に入学したものの、勉強はやらされるものという気持ちが強く、結局は成績最下位に転落する出来の悪い少年だったと言います。ただ一方では、面白いことは大好きで、大学時代はお笑いライブに通い詰めていたそうです。

 

その「面白好き、笑い好き」が高じて、「ウケる技術」や「うんこ漢字ドリル」を生み出し、大ヒットにつながているのだと思います。

 

「うんこ漢字ドリル」は、勉強がつまらないというネガティブなイメージを変えたいという山本氏の想いのもと、商品化まで2年をかけて制作しました。この間、何十通りも作った試作品を学習塾で実際に使ってもらい、意見を聞いて改良することで、小学生が本当に使いやすいドリルを目指しました。

 

そして3月24日の発売とともに、SNSで瞬く間に話題になり、3ヶ月で260万部という大ヒットにつながっています。購入者からの「面白すぎて一日で終わった」「母親の私の方がはまった」といった声がSNS上でシェアされて、購入する人がどんどん増えていった格好です。

 

山本氏は「今後も全く新しいものをつくることにこだわる」「おもしろいだけではだめ。社会にインパクトを与え、役に立つエンターテインメントを突き詰めたい」と話します。

 

「おもしろくて、社会にインパクトを与えて、社会に役立つ。」うんこ漢字ドリルが大ヒットしている理由をひとことでまとめると山本氏の想いに行きつくのではないかと思います。

 

また、「面白好き、笑い好き」という山本氏の好きから生まれるエネルギーが、うんこう漢字ドリルというユニークなコンセプトを生み出したのだと思います。「好きこそものの上手なれ!」私たちも自分の「好き」を極めていくことでヒット商品を生み出せるかもしれません。