女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

洋服大好き集団「ZOZOTOWN」が立証する「好きこそものの上手なれ!」

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

ここ数年、服が売れない!とアパレル不況が叫ばれていますが、「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ社の2017年3月期の商品取扱高は、前年比33.0%増の2120億円、営業利益は前年比48.0%増の262億円と2004年のサイト開設以来快進撃を続けています。

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さらに先日発表された2018年3月期第1四半期の決算報告でも、商品取扱高は前年同期比40.9%増の595億7400万円、売上高は前年同期比39.4%増の214億5100万円、営業利益は前年同期比59.3%増の79億8100万円と今期に入っても絶好調です。

 

同社は、2007年には東証マザーズ、また2012年には東証一部に上場。現在では、987ショップ、5848ブランド、年間購入者数673万4740人(2016年7月~2017年6月)を誇る日本最大級のファッションを中心とした、インターネットショッピングサイトに成長しました。

 

このスタートトゥディを創業から率いるのが、前澤友作社長です。前澤社長は、「好きなことしかやらない」「仕事は全部趣味の延長」「週に3日しか会社に行かない」等ユニークな発言や行動でも話題になっている人で、もともとは自分の大好きな音楽のCDやレコードのカタログ販売からスタート。その後、音楽と同じくらい大好きな洋服も売りたいと思い、ストリート系アパレルブランドを中心としたセレクトショップをウェブ上に公開したのが「ZOZOTOWN」の始まりです。

 

前澤社長は、「好きなことをとことん突き詰めたら、結果的にそれがビジネスになる」という信念のもと、社員の採用では、自分と同じくらい洋服を好きなことを特に重視しています。それはSEのようなバッグヤードの社員を採用するときも同様で、洋服が好きだからこそ、洋服を買うお客様の気持ちになってインターフェイスも設計できるという考えに基づいています。

 

つまり「洋服が好きな人がひとつ屋根の元に集まって、洋服が好きなお客様に心から喜んでもらうために自分たちの大好きな洋服を販売する」というのが同社のスタンスといえます。洋服のサイズ表示や写真の多さなど、使い勝手では群を抜くサイトを実現しているのもまさに「好きこそものの上手なれ」。「ファッション大好き」というエネルギーが、アパレル不況をものともせずに、ファッション好きな消費者の心を捉えています。

 

2018年3月期は、商品取扱高2700億円、売上高1000億円、営業利益320億円を計画。年内には準備に6~7年もかけてきたというICTやIoTをフル活用した前代未聞のプライベートブランドを立ち上げる予定です。また、2018年秋にはZOZOBASEと呼んでいる物流センターを現在の2倍に拡張する準備も進めています。

 

成熟社会になり今までのマーケティング手法が通用しなくなった時代。前澤社長が率いるスタートトゥデイ社のように、夢中になれること、熱中できること、大好きなことを突き詰めて、お客様を感動させることこそが、これからの時代のマーケティングの真髄といえるのではないでしょうか。