女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

女性生活者の「生産者志向」の高まりに注目しよう。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
先日お伝えした「リーマンショックと東日本大震災が、きっかけになった4つのシコウ変化とライフスタイル変化」http://www.happymk.net/entry/2018/08/27/135504では、①目先の損得よりも中長期的なお得を考えて生活する「ロングレンジ思考」②単に消費するだけでなく、自ら何かを生み出していくという「生産者志向」③足し算の暮らし方から引き算の暮らし方へという「シンプル嗜好」④誰かの役に立ちたい、つながっていたい「つながり指向」という生活者の4つの気持ちの変化やライフスタイルの変化についてご紹介しました。

ところで先日の日本テレビ系列の24時間テレビの中で、タレントのヒロミさんが子供食堂をリフォームする企画が放送されていました。ヒロミさんはこのところ、有吉ゼミ(日本テレビ系)というバラエティ番組の中でも、芸能人の自宅を自らリフォームするという企画が当たり大人気になっています。矢野経済研究所によると17年の住宅リフォーム市場は6兆3千億円と4年ぶりに拡大。総務省の調べでは、家の修繕などへの支出は1割近く伸びています。リフォーム市場の伸びと同様に、DIY市場も生活者の生産者志向の高まりを背景に伸びている市場です。中でも、女性のDIY市場に注目が集まっています。

日本ではじめて、DIY関連商品が一堂に揃った本格的なホームセンターが誕生したのは、昭和47年。高度経済成長のもとで発展したモータリゼーションの特性を活かして、国道沿いに位置し、広い敷地に駐車場を有したアメリカンスタイルの店でした。昭和48年に全国で28店、昭和49年に60店だった店舗数は、その後、昭和50年を境に年間約100~200店のペースで増加。現在は4700を超える店舗数に成長しました。その背景には、消費者の志向が物質的な豊かさから精神的な豊かさへと変化し、さらに余暇時間の増大にともない、文化的、創造的生活を求める新しい生活価値観が生まれたことにあります。

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↑日本DIY協会ホームページより引用

ホームセンターの市場規模は郊外での出店に飽和感があり4兆円近くで横ばいが続いていますが、2018年度の新規出店数は6年ぶりに増加に転じ、3割増える見通しです。各社がターゲットにしているのが女性のDIY(日曜大工)消費。カインズは30~40代の女性を狙い、工房スペースを設け工具の使い方などの講座を開いたり、カフェも併設する工夫で集客を増やしています。またカインズやコメリのサイトでは小物を作る動画を配信するなど、女性のコト消費など生活、消費スタイルの変化をとらえて都市生活者のファンを増やすことに注力しています。

また最近では、インスタグラムなど交流サイトで作品を見せ合う消費う者が増え、楽しみ方がモノからコトへ変わっていることもDIYやハンドメイド市場の人気の背景にあります。

リーマンショック以降の節約志向や企業が進める働き方改革を背景に、余暇に自分で内装などを補修する家族世帯のDIYや家庭菜園など、消費するだけでなく自ら何かを生み出していこうという「生産者志向」の高まりは、まだまだ新しい市場を生み出す潜在ニーズが隠れているように思います。

今後はますます自分好みの生活を支える商品やサービスに消費する女性が増えていくことは間違いありません。