女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

現代の若者は「心が喜ぶ」ことにお金を使っている。

みなさんこんにちは、 ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

私は、この4月から京都精華大学の非常勤講師として「 ライフスタイル論」を担当しています。私が教えるというよりも、 むしろ学生から学ぶことが多く、 いつも新しい発見にワクワクさせてもらっています。

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先日の授業では、「ふだんの消費のなかで、 あなたがこだわっていることを教えてください。」 という質問を投げかけてみました。回答してくれたのは、出席者の 38人。それぞれ短い文章でしたが、 現代の若者の消費の本質を発見することができました。

 

その中からいくつかのコメントをご紹介しましょう。

「好きな舞台や俳優さんなど趣味に対するお金は惜しまない。 手持ちがなく、 すぐに払わないといけない時は家族にお金を借りてでもどうにかす る。(女性)」

「迷ったら一旦離れる。(物理的に)主に服、 離れても忘れられなかったら戻って買う。心にぐっとくるものしか 買いたくない。(女性)」

「お金はかかっても、 できるだけ長く使っていけるものを選んで買う。(女性)」

「食べ物の中で「カフェオレ」が好きで、毎日食べています。 日本に来た時からずっと飲みました。あまくておいしいです。飲み ながら作業すると、もっと集中できる感じがしていいです。( 女性)」

「新聞、劇団四季などの舞台劇場、駄菓子、マクドのポテト。 四条駅のマクドの店全体がおしゃれだったのでついついおちつきの 場所として来てしまう。(女性)」

「僕はいつもスーパーに行く時、1.5リットルの水ボトルを1~ 2個買っています。僕が水を買う理由は、 一日やる気を出すためには僕としては水が必要だと思っているから です。(男性)」

「自分の好きなマンガや自分の絵を描く趣味に使う道具を買うこと にはお金を惜しみません。(女性)」

「漫画を買うときはためらわない。他のものを買うときはお金がな くなるから今日もやめとこうとか思いますが、本を買うときは新し い本が出るとすぐに買ってしまいます。(女性)」

「 私が普段お金を使うことにこだわっているのは安さと品質です。 また自分の趣味にはある程度お金を使ってしまいます。 何故かというと、 少しでも安くて品質のいいものを買ってなるべく趣味に使えるよう にすることで自分の好きなものを買って幸福感を得たいからです。 (男性)」

「好きなアニメのグッズには惜しみなく使う。だいたい好きなもの には使ってしまう。画材、音楽の課金など。(女性)

「本当に好きな本やマンガはブックオフじゃなくてちゃんとした書 店で買う。作家にお金が行くように。(女性)」

「服やくつは多少値段が高くても良いものを買うようにしたい。気 に入ったものはずっと着ていたいから少しでも長持ちするものを買 うようにしたい。(女性)」

「自分の好きな事なら高くても質の良い物を買う。 何かをする上で、質の高い物や評価が高いものは後でこの商品を買 ったことを後悔しないから。(男性)」

「私はキャンプのグッズにはあまりお金は惜しまないと感じる。 理由は、私自身ソロキャンパーであり、良いグッズほど良い使いご こちであり、 キャンパーとしては充実したキャンプをしたいのでグッズにはこだ わっている。(女性)」

 

といった回答が寄せられました。 そして一人一人のコメントを読んでいくと、

☛自分の好きなものにはお金を使う。

☛趣味に関することにはお金を使う。

☛心にぐっとくるものにはお金を使う。

☛集中できる、落ち着ける、 やる気が出るといったことにお金をつかう。

☛できるだけ長く使えるモノを選ぶ。

☛楽しみが増えることにお金を使う。

☛頑張った時にはお金を使う。

という現代の若者の消費傾向が浮き彫りになりました。 そしてこれらの背後にある気持ちを推測すると、心が喜ぶこと、 つまり精神的ベネフィットの高いことに対してお金を使っていると いう実態が見えてきます。

 

生まれた時から溢れんばかりのモノに囲まれて育ってきた20代前 後の若者たち。彼らが求めているのは、 モノそのものの価値ではなく、 そこから得られる心がちょっと喜ぶこと。そんなことがわかると、 若者が車を所有することにそれほど価値を見出さなくなってきてい る心の内が読み解けてきます。