女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

無印良品の「手間ひまかけた冷凍食品」は、働く女性の強い味方になる。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
以前のブログで、無印良品が「食」をテーマにした大型専門売場を大阪堺のイオンモール北花田店にオープンしたことをお伝えしました。http://www.happymk.net/entry/2018/03/24/121015

無印良品は、このところ絶好調な食分野の強化に注力していますが、新たに冷凍食品シリーズ50種を9月28日(金)から無印良品限定4店舗で発売します。(無印良品ネットストアの販売は10月上旬を予定)

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共働き世帯や単身世帯の増加を背景に、時間をかけずに調理できるミールキットやカット野菜、冷凍食品を利用する女性が増えています。日本冷凍食品協会によると2017年の冷凍食品の生産量は数量ベースで過去最高だった16年を3%上回る160万トンに達し、金額ベースでも02年以来の7000億円台。海外でも需要は高まっているようです。

無印良品が発売する冷凍食品のコンセプトは「手間ひまかけた冷凍食品」。できたての美味しさをそのままの状態でパックし、食卓へ届ける冷凍食品のシリーズを提案するのが特徴で、①白和えやきんぴらごぼうのような「素材を生かしたお惣菜」②玄米や雑穀米をつかった国産米おにぎりなどの「素材を生かした世界のごはん」③餃子や焼売などの「日本の飲茶」④時間や手間のかかる煮込み料理を1食分で味わえる「世界の煮込み」⑤温めるだけで食べられるホットサンドやキッシュなどの「焼きたての美味しさ」の5つをテーマに、化学調味料不使用で全て中身が見えるパッケージで発売します。毎日の食卓のサポートになるようなラインナップが強みと言えます。

① 素材を生かしたお惣菜では、高野豆腐とえんどう豆の卵和え(200g)税込390円、ごぼうと九条ねぎのきんぴら柚子風味 200g)税込390円。②日本の飲茶では、国産野菜と生姜の棒餃子 (320g(8個入り)税込450円、餅入りわらびもち(4個)税込390円。③焼きたての美味しさでは、ホットサンドスモークチキン&チーズ (1個)税込350円、チキンとほうれん草のキッシュ (1個)税込490円。④素材を生かした世界のごはんでは、発芽玄米ごはんの塩おにぎり(400g(80g×5個))税込490円、五穀米ごはんの鮭おにぎり(400g(80g×5個))税込490円。⑤世界の煮込みでは、肉じゃが(175g(1食分))税込390円、サムゲタン(韓国風鶏のスープ煮込み)(160g(1食分))税込390円とバラエティに富んでおり、価格も手ごろです。

 

9月下旬から冷凍陳列棚を置いた越谷レイクタウン、イオンモール堺北花田、イオンモールKYOTO、グランフロント大阪の国内4店で販売を始め、2019年2月までに20店に拡大する予定。現在好調な食品カテゴリーを拡大し、30年をめどに売上高比率を10%弱から30%に高める計画です。

共働き世帯の増加や健康志向の高まりを背景に、うま味調味料を使わないことが特徴の無印良品の食品はレトルトなどが女性を中心に支持を集め、18年2月期の食品の売上高は前の期比約3.8%増と好調。婦人衣料品や化粧品も好調だが、食品の売上構成比を高めることで、3795億円の18年2月期の売上高を21年2月期で5000億円にする中期計画の達成につなげる狙いです。

無印良品の食品が好調な背景には、味に対するこだわりがあります。今回発売される冷凍食品「手間ひまかけた冷凍食品」もその名の通り、かなり手間ひまかけて開発した背景が読み取れます。時間をかけずに本格的な美味しいものを食べたい。そんな働く女性の心を捉えて、日本の冷凍食品業界を大きく揺さぶるのではないでしょうか。