女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

経営者の理念こそ、新しい価値を生み出す原動力になる。

ストライプインターナショナルは、女優の広瀬すずが主演する「アースミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY」の新しいCMを2019年2月21日に公開しました。監督は、カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した映画「万引き家族」の是枝裕和監督です。

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同ブランドは今季から倫理的という意味の言葉 “エシカル”をブランドメッセージとし、人や社会、地球環境や地域に配慮したモノ作りを目指しています。今回の新しいCMも“エシカル”をテーマに、バングラデシュの同ブランドの縫製工場で働く女性従業員アイーシャさんを描いています。広瀬と異国に住むアイーシャさんが1着の服を介して互いを思い合う姿を演出しました。

同社のアパレル事業では、高品質な商品を持続可能な環境で生産する、つくる人も着る人も“フェア”なサプライチェーンの実現に取り組んでいます。アパレルのサプライチェーンは、 原料の調達、素材の加工、製品の縫製、 海外からの輸送、物流センターでの出荷 作業、店舗への配送など、さまざまなプロセスを多くの国や地域で行っています。その過程においては、労働者への搾取、環境問題など解決していかなければならない 社会的優先課題が多く存在しています。同社のフェアサプライチェーンは、そのような優先課題の解決に向けて取り組みながら、品質のよい商品をつくり続けることを目指しています。

同社のCSR Report 2018によると、フェアサプライチェーンでは、現地で実施される工場監査を経て認定された工場で商品を生産。この工場監査は、日本の生産部と海外の監査員および労働問題を専門とする弁護士で構成するフェアサプライチェーンマネジメント委員会を中心に推進しています。2017年12月現在で約100工場が認定工場として監査を完了。 フェアサプライチェーン監査は、倫理面と品質面の2つの側面から監査を実施。倫理監査は、児童労働および強制労働の禁止、労働時間および報酬の問題解決、建物の安全や労働者の健康、環境規制の遵守などを書類監査と現地のヒアリング等で評価。監査結果は、SからD までの5段階で評価し、上位3段階の評価を受けた工場が認定を取得します。品質監査は、実地監査で各現場での品質管理、危険物管理、工程管理、マネジメントなど150以上にも及ぶ項目をチェック。監査結果は、100点満点を5段階に分けて評価し、上位3段階に入った工場が認定を取得します。 倫理監査と品質監査の両方で認定された 工場が最終的にフェアサプライチェーン認定されています。

アパレル不況が常態化する中、同社の石川社長は「ライフスタイル&テクノロジーカンパニー」への進化を掲げ、「20年間アパレル企業として培ってきたノウハウを生かし、衣・食・住さらにIT領域まで新しい価値を生み出す企業として進化を続けます。」とメッセージしています。そして「人びとの生活に寄り添うブランドでありたい。人にやさしい、地球にやさしい企業でありたい。社員同士、スタッフとお客様、関わる全ての人々が家族の次に大切な存在といえる関係を築きたい。私たちが理想とする形がグローバルスタンダードとなる日を目指して、ストライプインターナショナルは進化を止めません」と締めくくっています。

同グループの2018年1月期の売上は1330億円で前年度に比べ7%の増収と、厳しい環境の中でも成長を続けています。商品やサービス面の進化はもちろん、社会課題の解決に対しても果敢にチャレンジする同社の姿勢が多くの女性客から愛される背景にあると思います。経営者の理念こそ、新しい価値を生み出す原動力になる時代です。