女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

「好き」だから、財布の紐がついつい緩んでしまうスイーツ消費。

 

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

私のお気に入りの情報源のひとつに、フジテレビ系「めざましテレビ」の中の「イマドキ」というコーナーがあります。毎日5分位のミニコーナーですが、今の若い女性に流行っている最新情報を知る上ではとても参考になります。

 

紹介されている情報で多いのは、スイーツに関する情報です。それだけ若い女性にとってスイーツはなくてはならないものであり、興味・関心のある大好きなアイテムといってよいでしょう。そして最近ではインスタグラムブームも手伝って、フォトジェニックなインスタ映えするスイーツの特集が多くなってきました。

 

「チョコ×マンゴースイーツ」「旬のマンゴースイーツ」「ふわひやスイーツ」「ぜいたくメロンスイーツ」「しっとりふんわりの新食感」「今大流行の生スイーツ」「SNS映えするフルーツスイーツ」「抹茶スイーツ」「カラフルスイーツ」「復刻スイーツ」「季節限定スイーツ」・・・・・など、この1~2ヶ月の間に取り上げられたテーマをみても「スイーツ」情報が目白押しです。

 

ところで、内閣府から発表されている経済財政諮問会議の資料によると、2000年に比べて2016年に消費が増えた品目は、「調理食品」「菓子」「通信費」「医薬品」「化粧品等の理美容用品」「冠婚葬祭・保育・介護サービス」「スポーツ観戦料」「スポーツクラブ使用料」となっており、菓子類の需要が増えていることが確認できます。

 

家計調査をみても、世帯全体の消費支出は10年前に比べて4%減っている一方で、「菓子類」は10%も増加。、20代~70代以上の全世帯で好調なことがわかります。

 

ただ一口に菓子類といっても、伸びているのはタルトやロールケーキといった菓子類やチョコレート菓子、アイスなどで、昔ながらのケーキ類は減少しています。従来は菓子といえば子供向け商品の代表格でしたが、2015年の5~14歳の人口は10年前に比べて約100万人以上減少して1100万人弱。一方で60代以上は10年前より約200万人増えて1800万人となっていて、菓子類の消費増加の背景には、大人向け商品の需要が伸びていることが推測されます。

 

アイスキャンデー「ガリガリ君」を製造販売する赤木乳業では、おとなの女性を意識した商品を増やすことで新しいマーケットを開発することに成功しています。例えば「ガリガリ君リッチレアチーズ味」は通常価格の2倍の130円にも関わらず、小さい頃ガリガリ君世代だった層に受け入れられて好調に推移。また、ネスレ日本では「キットカット」で大人向けの高級タイプを発売し、こちらの販売も好調です。このように製菓各社はターゲットを子供から大人にシフトすることで新たな需要を創造していることがわかります。

 

また、健康志向を捉えた新しいコンセプトの商品も大人の菓子好きの気持ちを満たして好調です。チョコレート市場では、抗酸化作用があるポリフェノール成分を多く含むカカオの含有量を高めた商品が大ヒット。明治の「チョコレート効果」など、新たなチョコレートマーケットを創造しています。

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自分へのご褒美やプチ贅沢消費の定着も菓子市場好調の背景にあります。例えばバレンタイン、最近では友達には1000円程度のものをプレゼントし、自分へのプレゼントには普段は口にしないような5000円位のチョコを購入する女性が増えています。百貨店各社はそのような自分ファーストな消費に向けた品揃えを年々強化してチョコ好きの女性を多く集客することに注力しています。ブランドバックは無理でも、スイーツなら高級品でも手が届く。働く女性が増えてストレスを抱える女性が多くなってきている現在、自分の大好きなスイーツでストレス解消する女性は今後もますます増えていきそうです。

 

そして、インスタグラムに投稿する女性が増えたことを背景に、メーカーやスイーツショップ各社はインスタ映えするチョコやロールケーキなどを次々に開発。SNSを通して拡散し、新たなブームを引き起こしている現象も菓子需要を拡大させている大きな要因といえます。

 

必要なものはほとんどが満たされた現在、スイーツのような「好き」だからついつい買ってしまう。自分の「好き」なモノやコトには惜しますお金を使う。そんな女性たちの「好き」マーケットを攻略することが、これからのマーケティング戦略の要になっていくでしょう。