女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

安藤忠雄さんから学ぶ、ライフスタイルマーケティングのヒント。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

 

元プロボクサー、独学で建築を学ぶ―という異色の経歴で知られる建築家 安藤忠雄さんの展覧会が、12月18日までの日程で、東京・国立新美術館で開催されています。

 

安藤忠雄さんと言えば、既成概念を打ち破るような斬新な建築作品を次々と世に送り出し、アジア・ヨーロッパ・アメリカなどでも、意欲的な作品を実現させています。その一方でさらに、建築という枠組みを超えた環境再生や震災復興といった社会活動にも、果敢な取り組みを見せており、私も大好きな建築家のおひとりです。

先日も石川県かほく市の西田幾多郎記念哲学館を訪れ、森の中に佇む壮大な安藤建築に心から感動してきました。

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ところで、10月3日付日経電子版では、安藤さんへのインタビュー記事が掲載されていました。安藤さんの言葉からは、これからの日本を幸せにするヒントがたくさん読み取れましたので抜粋してご紹介したいと思います。

 

「いま日本の国は元気がない。日本を時代ごとに年齢で例えると、1960年代が20代、70年代が30代、80年代が40代、90年代が50代だと私は思っている。(20代と位置づけた)60年代は社会も私も含めてめちゃくちゃおもしろかった。(90年代である)50代は蓄積ばかり考える。企業に例えると売り上げと利益だけとか内部留保といったように。そうなるとだんだんおもしろくなくなってきて、それがいまだ。学生たちもそうなってしまっていると感じている」

 

「会社は売り上げと利益を追い求めて内部留保をする。だけど本当は我々の社会はそこに住んでいる人たちが豊かで楽しく生きる社会を作るために企業があるのではないかと思っている。それをカバーするのは創造力だ。芸術と科学ががんばって存在感を高めなければならないと思って展覧会をした」

 

「りんごはいつまでも青くなければならない。『あの人はいつまでも青いな』というようにみんな青いことを嫌がるが、私はいつまでも青い方がいい。成熟しないでいたい」

 

 「私はみんなに嫌われている。建築界にも社会にも嫌われているが、それでもおもしろいなと言ってくれる人が時々いる。そう言ってくれる人が10人に1人でもいればいい。だから『光の教会』を展示(再現)する。最初、美術館側には反対されたのだが」

 

インタビュー記事はまだまだ続くのですが、上記の中で特に共感したのは、「企業は豊かで楽しく生きる社会をつくるために必要だ。それをカバーするのが創造力であり、芸術と科学でその存在感を高めなければならない」という一節です。

 

また、「面白いといってくれる人が10人に1人でもいればいい」ということばからも、これからの時代のマーケティングの方向性が読み取れます。

 

つまり、これからの企業は、「お客様を豊かに楽しく幸せにする」ということが第一の目的であり、そのためには創造力を発揮して、感性と科学を融合して実現することが重要である。そして、これまでのようにマスターゲットを狙うのではなく、10人に1人でいいから本当に支持してもらえるお客様を大切にする。みんなから良い子といわれる優等生よりも、いつまでも成熟しない青いりんごを目指すことがイノベーションの原点。安藤さんのインタビュー記事から、そんなマーケティングのヒントが見えてきました。