女性を笑顔にする、マーケティングのヒント。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性消費者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けします。

既存店を伸ばすには『店の鮮度』が重要だ。「スシロー」好調から学ぶ、お客様を惹きつけるヒント。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。

回転ずしチェーン最大手「スシロー」を展開するスシローグローバルホールディングスの業績が好調です。2019年9月期第2四半期累計(2018年10月~2019年3月)の売上高に相当する売上収益は965億円(前年同期比14%増)、営業利益は77億円(同33%増)と、いずれも上半期としては過去最高を記録しました。

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業績を牽引したのは既存店の高い成長率です。スシローの上期の既存店売上高は前年同期比6.9%増を達成。とくにこの1年は、競合のくら寿司やかっぱ寿司が伸び悩む中、高い水準の伸び率を維持してきました。

既存店の伸びを支えたのが、積極的な販促キャンペーンです。この上期は、より上質なまぐろを取りそろえた「まぐろ祭」や、通常よりネタを大きくした「てんこ盛り祭」といった期間限定のキャンペーンを相次いで実施。3~4年前の販促キャンペーンは月1.5回程度でしたが、現在は2回に増やしました。さらに全国放送・地方放送を問わずメディア露出を拡大したことも追い風となり、上期の既存店客数は前年同期比4.5%増となりました。

好業績のもう1つの要因が2018年9月に実施した皿単価の変更。それまで180円だった商品を150円に値下げした一方で、期間限定として280円で提供していた皿は300円に引き上げました。その結果、少しお金を払ってでも、いいものを食べたいという需要を取り込めたようです。そのほか、今や回転ずしチェーンの定番となったサイドメニューもスイーツを中心に積極投入を続けたことが貢献し、客数と同様に客単価も前年同期比2.3%増となりました。

水留社長は「すしネタの鮮度は当然大事だが、既存店を伸ばすには『店の鮮度』が重要だ。来店する度に新しい体験、うれしくなるような体験を提供できるか。その繰り返ししか、既存店を伸ばす道はない」と強調。

時代がどのように変わっても、私たち生活者は変化のないお店や売り場には魅力は感じません。都市が楽しいのは、活気にあふれ絶えず変化していて新しい発見があるからです。スシローの販促キャンペーンや皿価格の変更、スィーツメニューの強化など、お客様をワクワクドキドキさせる取り組みこそ、お客様に愛される店づくりの基本です。